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トップハート物語(3184)立志伝敢闘編
16/11/23
2010年(平成22年)6月初旬。
 朝一番で、お局様筆頭サービス提供責任者から電話だ。
 「介護管理者からYさんの件で連絡が有りましたか。」
 「いや、別にないけれど。」
 「朝ヘルパーさんが入った時に、廊下に倒れていて大変だったようです。もう施設に入れてくれと言っているようなので、行って来ます。」
 何度も何度も繰り返された事だが、最近は特にやせ細って来て真剣に心配になっている。
もう4年も担当しているが、それまでは他の事業所を転々として、というよりケアマネジャーが逃げているのかもしれない。度々入院と入所は希望し、私は動く。
幾つかの老健や有料老人ホームなどが決まり入所したり、契約したりするがその日に出て来たり、1日で勝手に帰って来たり。入院も同じだ。何度も何度もお願いしたり救急車を呼んだりして、断りもなしに勝手に退院して来る。
もう、受け入れる施設も病院も無く、医師も拒否している。救急対応も病院側が拒否。最近はどこも受け入れ無くて、自宅での生活だ。訪問すると、ベットに寝ていて勿論ヘルパーさんが入っている時にも
「動けない。歩けない。」
と言ってベットに寝ている。
「食欲もない。」
と言いながら、顎はたっぷり。
ゴミ箱には、ヘルパーさんに買わせた弁当や総菜の入っていたケースが捨てられている。勿論、歩けるので誰も居ない時にお風呂も入り簡単な調理をする。
ただ、深夜、
「誰かが来た。」
とか
「夫が来る。」
とか言って包丁が布団の下に隠してあったり、
「逃げようとした。」
と言ってガラス戸にぶつけたという額に傷があったり。
 「どうしたんですか、その額の傷。」
 「夫が来て、殺されそうになったのでベランダに逃げようとしてガラス戸を頭で壊そうとしたんです。」
 戦後間もない時に夫は亡くなっているのにそんな事があったり、何度も何十回も私に深夜電話を寄越して、
 「誰かが来ています。殺されます。来て下さい。」
 と、懇願して来る。
朝に訪問した時には、
「そんな事は知らない。」
と言う。
 しかし、最近本当に見るも無残に痩せて来て、何度、医師に相談しても
「歳だ。」
と言って取り合ってくれない。
体力も無くなったのか病の為か、誰も居ない時の歩行時に、転倒したようだ。そのまま立ち上がれない。当然、病院などには行ける訳もなく、入所の希望も相手先に何度もキャンセルを繰り返し入所できるなど全く可能性が無い。ケアマネジャーとして紹介したので利用者以上に、私が信頼を失って居るのかも知れない。
その利用者のお陰で。結果的には、朝の援助に加えて、夜間も対応する事になった。
 その話が終わるか否や、立て続けに困った報告が相次いだ。
同じく独居で、認知症の方の転倒が報告された。
 「訪問すると、いつもの場所でいつもの様な状態で転倒していて、いつもの箇所を打っている状態で倒れていました。直ぐに、近くに住んでいる息子さんを呼んで見て貰ったんですが、全く関心が無く帰ってしまって。遠くに住んでいる娘さんに連絡して、病院への搬送許可を貰ったんですが本人が行きたくないと、がんと受け入れずに午後娘さんが連れて行く事になりました。」
 もう何十回となく転倒して、酷い時には脱臼や顔面強打、いつも右腕や肩を下にして転倒するので、もう右腕はほぼ利かない。
リハビリ通院は年中無休の状況だ。室内の転倒状況はいつも同じだ。トイレに入り、出る時には廊下が狭くドアを開けた状態で後ろ向きにわずかに下がらないと締める事が出来ない。
その締める時に、段差を踏む。左手でノブを押し締めて後ろに下がると突然段差だ。その段差を緩やかな傾斜にしたのだが、それでも後ろに下がる時に、僅かに真後ろに傾く。そのまま転倒するのだが、体を利き腕の右にねじる。
段差解消ではなく、台を延長して戸を閉めてもフラットな状態を保つとか、手摺を付けるとか検討した。台の設置には介護保険が適用ならないとの事だった。また、手すりの設置には、堪えられない壁の構造が有り片側に設置したが、使える腕の方ではないので何の意味もない。
介護保険外の負担はしたくないという事なので、結果的には同じ事を繰り返す事になる。

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