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トップハート物語(3180)立志伝敢闘編
16/11/21
2010年(平成22年)6月初旬。
もう職業訓練が始まって半年近くになり、卒業間近だ。30人入学許可を出して、29人入学し病気になった一人を除いて全員卒業できそうだ。その卒業を間近にして、進路を確認している。
今日も、実習に行く生徒を除いて16人の対象授業だったが、出席者は2人だった。その二人に就職状況の話を聞いた。一人は、家業の中に訪問介護事業所を作る事を決めているのだ。
 「申請が進んでいるの。」
 「いえ、まだ迷って居ます。」
 「何を迷っているのか。」 
 「聞きたいと思っていたんですが、どうやって最初の資金を回していたんですか。融資を受けるとか借り入れをしたんですか。」
 「最初はお金が無かったから、他の仕事をしてしのいでいた。その他に、俺の給与は帳簿上支給していたが実質は一円も無かった。4人の社員を採用したので、一人平均25万円支払って居てその他にヘルパーさんへの支払いと入金が2か月遅れで、最高1000万円の持ち出しが有った。その全額を、自分で負担した。勿論、急激な収益が有ったのでヘルパーさんへの支払いの負担が大きくなったのだが、2か月前の入金で追いつかないような大幅な伸びを示していた。給与時期に自分の手持ち資金を投入して、月末入金時に回収するパターンが5年くらい前まで続いた。」
 「私は、少しは手持ちがあるのですがそれほどの金額がある訳ではないので、不安がある。融資を受けて、返せるのかが心配です。」
 「借金して返せるだけの収益が有るかというと、難しいだろう。俺は、借金はしなかったが、自分の現金を投入する訳に行かないのでパソコンや机などをレンタルした。終わるのに6年掛ったが、利子は無駄な金額だった。パソコンなど、3年しか持たなかったのに、壊れても3年間は支払い続けていた。総額60万円を超えた。金が無いという事は無駄なモノに使う事になる。その事を考えないと。」
 「ある程度利用者は見込めるのですが私自身本業があるので、自分の体をそこに投入できるかどうか、それが心配なんです。それに、無休などという事は出来ないし、始めたからといって本業の資金を投入する事は無理だし。結局は融資を受ける事になると思います。それでも、果たして遣って行けるのかという事が心配なんです。」
 「始めてみないと何とも言えないし、難しいという事は確実に言える。始めたからといって必ず利用者が来るとは限らない。居たとしても、増えるかどうかも分からない。それは、偶然と必然の融合で決まると思う。俺も、始めた頃には、全く利用者がいなくてひと月目は収入が0だった。2か月目には月半ばで30分の深夜の利用者が一人で8万円の収入だった。そこで辞めて居ればそこまでで終わりだ。しかし、次の月からヘルパーさん確保が追い付かない位増加を見せて今に至っている。」
 「どうしてそうなったんですか。」
 「俺は、何かを始める時いつでもダメかもしれないと思った事が少ない。どうやったら自分が始める事が叶うのかと、そればかり考える。しかし、始めるまでは悩んだり、シュミレーションの段階で辞めてみたりしてスタートまでは時間が掛る。踏ん切りが悪いのかもしれない。」
 「私は、佐藤さんのようになりたいのです。」
 「俺と同じようには、難しい。何故なら、持っているモノも考え方も違い過ぎる。自分のパターンを作らないと。」
 その後、何度も同じ事が場を繰り返した。つまり、
 「自分の時間を投入する訳に行かない。今の家業で十分な収益を上げて行けるのに、無理な事をして本業に悪影響を及ぼしてはダメだ。資金を借り入れて始めるだけの価値があるのか、それが不安だ。」
 それに対して、
 「始めてみないと何とも言えない。その前に、どのように事業計画と経営戦略を立てて行くかだ。勿論、始めたら想定していない事が起こるのでその時々に修正したらいいし、全く計画を無視して臨機応変に動いたらいい。いつ辞めるかも決断の一つだ。どんなに考えても、やってみなければ分からない。」
 その中で、聞いた。
 「俺がみんなに聞いても、ほとんどの人が就職が決まっていない。今の時点で、決まっていないという事は7月の就職が無いという事だ。一体どうなっているんだ。」
 「みんな、本気で就職を考えている訳ないじゃないですか。誰も考えていないですよ。」 
 私だけが、何とかしようと思っている。しかし、幾らみんなに面談する機会を設けて就職する事を促しても、全く動かない。
 「まだ実習が終わっていないので、それから考えます。」 
 などというのが、圧倒的に多い。
 「正社員を募集していないので、捜して居ます。」
 そんな話も聞く。自分の実力を考えてみないと。僅かでも収入が欲しいと思わないのか、それとも国が何とかしてくれると思っているのか。

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